PMOの歴史とこれからのPMO像

1969年に米国プロジェクトマネジメント協会が設立後、事実上のプロジェクトマネジメント方法論のグローバル標準となっているPMBOK®は、1996年に初版が発行されました。その後、日本にもPMIJが設立され、2000年以降徐々にプロジェクトマネジメント組織の普及が始まりました。

ここではPMOの歴史を振り返り、今後のPMOのあり方や将来像について解説し、INTLOOPのPMOソリューションに関する取り組みについてもご紹介します。

PMOの歴史

誕生から未来のPMO像まで
PMO誕生
1996
アメリカでPMBOK®初版発表

PMBOK®(ピンボック:Project Management Body of Knowledge)とは、アメリカの非営利団体PMI(Project Management Institute)が策定した、モダンプロジェクトの知識体系です。
プロジェクトを進行する際の基本的な約束事などをまとめたもので、後にプロジェクトマネジメントの事実上の国際標準として普及することになります。

1998
PMI日本支部(PMIJ)設立

PMBOK®を策定したPMIの日本支部が設立され、日本においてもPMBOK ®の普及活動が始まりました。

黎明期
2000年代初頭
インターネットの普及と大企業のプロジェクトの複雑化

インターネットが普及するにつれ、大企業のプロジェクト実施の難易度が上がり、PMOを設置するプロジェクトが登場し始めました。
PMOの定義も各社バラバラで「事務局」「PMサポートチーム」などと呼ばれたり、プロジェクトマネジメント以外の役割も負わされる等、PMOに特化したコンサルタントは存在しませんでした。

2003
日経BP社による調査
プロジェクト成功率わずか26.7%の衝撃

日経BP社の専門誌「日経コンピュータ」による調査で、情報システム開発の成功率がわずか26.7%と発表され、業界に衝撃が走りました。
以後、プロジェクト成功率向上施策としてPMOの設置が注目されます。

2000年代中盤
PMOとしてのキャリア普及前の過渡期

PMOというポジションが設置されるようになってはきたものの、転職市場にPMO専門のコンサルタントとしてのキャリアは、まだ存在しませんでした。

2008
日経BP社による調査
プロジェクト成功率31.1%と発表

日経BP社による調査で、5年前に比べてプロジェクト成功率が向上したことが注目されました。この間に普及し始めたPMOの存在がさらにクローズアップされることになります。

2000年代後半
中途転職市場におけるPMO職の登場

中途転職市場において、専門職としてのPMO人材募集が登場し始めます。

2009
リーマンショックの影響で
高額コンサルタントの契約終了多発

ITプロジェクトの予算縮小が各社で発生し、従来コンサル会社に依頼していたPMOについて、ユーザー企業自ら設置する例が増加し、PMO設置企業が増えました。

発展期
2012
大手外資ベンダーと銀行間の裁判
プロジェクトマネジメント義務違反の判決の影響

ベンダー側に対しPM義務違反があったとして74億円もの巨額賠償を命じる判決が出て、業界を震撼させました。一方ユーザー企業側も協力義務を負うことが明示され、ベンダー側にもユーザー側にもPMOの重要性が認識されるようになりました。
自民党の総合政策集J-ファイル2012年版にPMP®(Project Management Professional)資格保有者の養成を積極的に推進する旨が明記されました。

2010年代中盤
中小コンサル会社における
PMOサービスの急拡大

中小コンサル会社、ITコンサル系企業で、PMO専門サービスが続々と立ち上がり、PMOサービスは完全に市民権を得てコモディティ化し、PMOノウハウがITコンサルタントのベーシックスキルの一つとなりました。
コンサルファームもSIerもPMO市場に乗り出したため、価格帯が歪な構造になりました。

2018
日経BP社による調査
プロジェクト成功率52.8%まで向上

2003年にはわずか26.7%にすぎなかったプロジェクト成功率が、15年後には52.8%まで向上しました。
多くのプロジェクトで失敗の原因となるのは要件定義が不十分である点にありますが、その解決にPMOが大きな役割を果たしました。

コモディティ期
2020年代初頭
プロジェクト成功率向上のために
PMOニーズは高止まり

さらなるプロジェクト成功率向上を目指すために、各社PMOニーズは非常に高い状況が続いています。

プロジェクトマネジメントスキルはコンサルタント/IT技術者のベーシックスキルの一つとして定着し、PMOを務められるプレイヤー数は増加しています。

20XX
PMOスキルの高付加価値化を追求する流れ

プロジェクトマネジメントスキル/ノウハウだけで他のコンサルタントと差別化することは困難な時代に突入します。
PMO×他の専門領域(DX、インフラ、業務知見等)といったプラスαの価値が、高付加価値PMO人材になるためのポイントとなります。
RPA/AI/DX技術を活用し、プロジェクトマネジメント業務内の定常作業部分は、自動化が進みます。

PMO人材とINTLOOPの取り組みについて

PMOに求められる役割の変化と深化

日本にプロジェクトマネジメント手法が浸透し始めてから20年以上経ち、プロジェクトマネジメントスキルは、ロジカルシンキング・コミュニケーションスキル・問題解決力・ドキュメンテーション能力などと同様、コンサルタントやPM・PLが身につけるべき必須スキルの一つになりました。

プロジェクトマネジメントスキルを習得している人口は増加し、PMOをやれるという人は増えたものの、やりたい人はさほど増えていません。

その要因としては、不特定多数のPJメンバーの意見を集約し前に進める事や、ステークホルダーが多岐に渡り各種調整など、非常に難易度の高いタスクもある一方で、現場の可視化をするための定常作業などといった比較的簡単な作業内容だったりと、PMOと一口に言ってもレベル感が様々な役割のため、PJ次第でPMOの印象が異なる現象が起きています。

あるシチュエーションでは、自分には向いていないと思うような役割のPMOだったりするケースが多く起きており、チャレンジしたいとは思わないという人も多いのが実態です。プロジェクトマネジメントスキルがコモディティ化している今、クライアントのプロジェクト状況・予算感・スキル感などのニーズが多様化している中、PMOに期待されている役割も多岐に渡るようになっています。

2000年代の黎明期、2010年代の発展期と比較してみると、2020年代におけるクライアントのニーズは、より高度かつニッチなものになってきています。PMO人材といっても、ただ文字通りのプロジェクトマネジメントオフィス機能を担えばいいというものではなく、PMOにくわえて業務コンサルの知見やIT関連の知見など、プラスαのスキルを持つPMOが求められるようになってきているのが現状です。

20XX年のPMO未来像を読み解く鍵は「PMOדX”」

それでは今後求められるPMO像は、一体どのようなものへと変化していくのでしょうか。

まず、プロジェクトマネジメントスキル/ノウハウの重要性が広く知れ渡るようになった今、スキルセットとしてはコモディティ化しています。とはいえプロジェクト成功のためにPMOの存在は欠かせない存在なので、PMOの需要は多い状態が今後も続くでしょう。

プロジェクトマネジメントスキルそのものが陳腐化までしてしまうわけではありませんが、プロジェクトマネジメント全般を実行支援してくれる人材という定義のPMOだけでは評価されにくくなっていきます。PJの多様性によりPMOに対する期待値も多様性に満ちています。

今後は、たとえば以下のような知見の掛け算や深掘りが不可欠になってくるでしょう。

今後PMOにも掛け算・深掘りが求められる例

- PMO×業界知見(金融、製造、化学・・・)
- PMO×外資系コンサル企業のマネジャー経験者
- PMO×大手SierのPM経験者
- PMO×開発方法論知見(ウォーターフォール、アジャイル・・・)
- PMO×工程別知見(設計、開発、テスト、運用毎の専門家)
- PMO×テック知見(DX、クラウド、仮想化、AI・・・)
- PMO×パッケージ知見(SAP、SFDC・・・)

「PMO×”X”」に向かう流れ

①PMOの普及前は、本業のコンサル業務とPMO的な役割を兼務
②PMO自体に専門性が認められるようになった
③PMOのコモディティ化
④未来的なテーマで「PMO×”X”」という掛け算が求められる

このように、新たな専門性の確立からコモディティ化を経て、今度は「PMO×”X”」という形で新たな専門性確立のサイクルが始まりつつあるのが、今の2020年代という時期と言えます。

PMOに対するニーズがより多様化した現在、お客様の期待に応えるために必要な事は、様々な「PMO×”X”」の提案ができるリソースを確保しているかどうかに掛かっていると言えます。

今後、PMOとしてキャリアアップしていくにあたっては、「PMO×”X”」の「X」の中身も深掘りしていくことが、ますます重要になってきます。

INTLOOPが提供するPMOソリューション

INTLOOPは、専門職としてのPMO人材が認知されるようになってきた時期である2005年の創業以来、フリーランスコンサル事業の先駆者として、多くの現場で課題を解決してきました。また、数多くのご支援実績の中で一番多く支援実績があるPMOに関して、膨大な知見を蓄積してきました。

INTLOOPは日本最大規模である6,000人以上ものPMOフリーランス人材を確保しており、今後さらにPMOコンサルビジネスを拡大するための取り組みを行っています。

今やPMOにとって必須となりつつある、プロジェクトの要件を満たす人材提案やリソース面での支援においても、INTLOOPが保持する25,000人ものフリーランス登録DBにアクセスしながら総合的な提案を行うことが出来ます。

プロジェクト管理だけを行う従来型のPMOではなく、実際のプロジェクト現場でよく発生している体制図でTBDのままとなっている部分を解消するようなリソースマネジメントの課題もトータルで解決したいという企業様は、ぜひINTLOOPまでご相談ください。

PMOのあり方や歴史を真摯に見つめてきたINTLOOPだからこそ可能な、「プロジェクト成功請負人」としてのPMO人材を活用したソリューションを提供させていただきます。

INTLOOPが提案するPMOキャリアパス

INTLOOPに在籍・登録しているPMOにも、PMO以外のスキルを磨くと共に、PMOプラスαの多様性あるキャリアパスを用意し、手厚いサポート体制も整えています。

従来型PMOの提案だけではなく、25,000人以上のフリーランス人材を活用しながら、クライアントに対してリソース面も含めたトータルの提案も行えるのは、コンサルタントとしての魅力の一つといえるでしょう。

かつて、PMOの歴史が浅く、本業とPMOを兼務しながら各コンサルが現場で試行錯誤せざるをえなかった時代においては、それなりのベテラン年代層がPMO人材を務めていました。

しかしPMOが普及した今、20代30代の比較的若いうちから、PMO経験とプラスαの専門分野で同時にキャリアを積み上げることが出来ます。

先人たちが試行錯誤していた時代に比べると、爆発的な成長スピードで高付加価値人材へとキャリアアップできるチャンスが目の前に広がっています。

PMOの高付加価値化の流れが見込まれる2020年代においても、事業に大きなインパクトを残せるPMO人材になろうという意欲や野心を抱き、今これをご覧いただいているポテンシャルに満ちあふれたみなさまの挑戦を、INTLOOPは心よりお待ちしております。