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その会議、出る意味ありますか?~無駄な会議を無くし、生産性を高めよう~

更新日 2023/03/07

私たちが仕事をしていく中で、必ずと言っていいほど『会議』というイベントが存在します。 会議は、会社の方向性を決める経営戦略会議から、課会やチームの定例会など大小様々な規模と内容で行われています。一週間の間に一度も会議がない、ということは極めて稀なのではないでしょうか。 私たちは、日々の業務の中で、自分たちが思うよりずっと多くの時間と労力を会議に費やしています。一度会議を行うだけでも、調整、準備、実施、後処理と多くの工数がかかります。さらに、実施だけに着目すると、会議に8人が出席し、1時間の議論をするだけで、1人の人が丸一日働いた時と同じくらいの工数がかかっていると言えます。もし、このような会議で議論がまとまらなくて目的を果たせなかったら、丸一日が無駄になってしまうのです。 このように、会議は仕事上で多くのウェイトを占め、多くの人に影響を与えます。非効率な会議ばかりをしていると、組織の生産性は著しく損なわれてしまうのです。あなたとあなたの周りの人の生産性が失われないよう、ひいては、組織の生産性を失わず、より効率よく会議を運営していくには何が必要なのか、考えていきたいと思います。

1.あなたの会社でこんな会議をしていませんか?

会議とは、ある議題に対し有識者が集まって、議論を交わし、決定することです。会議が開催される時は明確な目的があり、目的の達成のために参加者全員が最善を尽くすことが求められます。しかし、これから述べるような会議をしていると、非効率な会議運営となり、結果として目的が達成できないことがあります。あなたの会社で行われている会議はどうでしょうか。

1.目的浮遊型

会議には明確な目的があるということはすでに述べました。その目的について、出席者全員の認識が一致していなくてはなりません。全員が同じ認識を持って会議に参加しなければ、議論はまとまらず、本来進むべき方向から外れてしまいます。 週次で開催されるような定例会だと、だんだんと惰性で開催するようになり、目的が不明確でもただなんとなくスケジュールに入っているから集まる、というようなことも起こりえます。 あなたは、自分が出席する会議は何が目的で、何を達成しなければならないか、という問いに明確な答えを持っていますか?もし答えられないのであれば、会議が行われる前に、目的をきちんと落とし込み、そして出席者全員の認識を合わせておく必要があります。

2.結論先延ばし型

会議をしていると、しばしば、その場では結論が出ず、持ち帰り事項が発生することがあります。 どうしてもその場では結論が出せないことであれば仕方ないですが、準備不足で結論が出せないことは避けるべきです。アジェンダを全員が認識しておくことはもちろん、事前にアジェンダについて検討する時間もあった方がよいでしょう。会議の目的によっては、結論付けるために意思決定者の参加が必須となります。結論に導くための人のアサインメントも重要な準備作業です。 また、議論が白熱しすぎてコントロールがきかずに会議の制限時間を迎えてしまい、結論が出ないままとなることもあります。会議の司会進行を行う人は、事前にアジェンダの各項にどれだけの時間を使うか決めておき、時間内に結論が出るようタイムマネジメントを行うことが求められます。

3.過剰招集型

一部の人だけが発言し、一言も発言が無い参加者がいるというような会議に参加したことはないでしょうか。これは、前述した準備不足が原因で起こることもありますが、議題に対してあまり関係のない人を招集してしまっている、ということも考えられます。なんとなくチームや課単位で人を集めたものの、実際に議題を理解し、意見を述べられるのは一部の中心人物だけ、ということでは、残りの人は会議に出席している意味がありません。主催者が誰を呼ぶのか入念に検討することも必要ですが、呼ばれた方ももし自分は会議の議題に対して意見や情報が出せないのであれば、主催者にその旨を説明し、会議を辞退する、という判断も必要なのです。

2.会議の生産性を上げるために

これまで述べたように、会議を開催する際は主催者が事前の情報共有や準備が十分になされるよう働きかけなければ、期待する成果を出すことはできません。では、具体的にどんな取り組みをすれば有益な会議を開催することができ、生産性を上げることができるのか考えていきたいと思います。

1.準備

会議をうまく進めていくためには、準備が非常に大切です。会議を開催するにあたって必要な準備は、主に次のようなものがあります。 ① 出席者の選定・調整 ② アジェンダ及び必要な情報の展開 ③ 会議までにやっておくべきタスクの確認 では、上に挙げた準備について詳しく説明します。

①出席者の選定・調整 まず会議の開催が決まったら、出席者を決定しなければなりません。議論するために必要な知識を持つ人や、内容によっては決裁権を持つ人、マネジメント層に出席してもらわなければならない場合など、会議の目的によって参加する人は大きく変わります。ここで意識すべきことは、常に必要最低限のメンバーで開催するということです。このことで、組織全体で無用な工数を抑えることができるばかりでなく、議論に余計な横槍が入ることを未然に防ぐこともできます。 そうして入念に出席者を選定した上で、全員が出席できる日時を押さえます。この時もただ全員が空いている日時、という観点ではなく、会議の重要度と緊急度に合わせて、リスケやTV会議の実施など、会議の目的に合わせた調整が必要です。
②アジェンダ及び必要な情報の展開 出席者を選定したら、次は会議情報の展開を行います。ここで、会議を行う目的を明確にすることはもちろん、会議資料を事前に展開し、出席者が議題について考えることができる状況を作ることも必要です。会議資料は会議の前に読み込んでもらうように全員に周知しておくことで、時間のロスを減らすことができます。 また、アジェンダは可能な限り詳細に記述し、どの議題に何分くらいの時間をかけるかも事前に主催者がイメージを持っておくと、時間管理がしやすくなり、より効率よく会議を進められます。
③会議のための依頼事項の確認 情報を出席者に展開したら、会議までにやっておいてほしいことを伝えましょう。何か検討するために必要なデータがあれば調査をしてもらうなどです。会議を行う場合は事前に考えをまとめておいてもらい、会議の場では考えた結論を出すというくらいが望ましいです。 また、クライアントの経営層が参加するような重要な会議では、意思決定権を持つ人物に事前に根回しをしておくことも必要です。 根回しに対してネガティブなイメージを持つ方が多いと思いますが、事前に少しでも成功する確率を上げておくことは、業務を進めていくうえでごく自然なことです。根回しをする際は、自分の伝えたいことのみを主張するのではなく、相手の立場に立ち、自分の提案が相手にどのような影響を与えるのかをきちんと説明した上で、損の無い話であることを理解してもらうことが重要です。

2.実施

準備が整ったら、あとは会議を実施するだけです。きちんと準備ができていれば、会議の場で必要なことというのは実は多くなく、全員がきちんと準備をしてくれば、適切に会議が進み、スムーズに結論を導き出せるはずです。会議の主催者が留意すべきことは、議論があさっての方向にいかないようコントロールすること、資料を読めばわかるようなことはあえて説明をしない、というようなことだけで十分なはずです。 また、議事録を作成する担当者を事前に決めておくと、会議後にスムーズに関係者に情報を展開することができます。

3.会議後のタスク

会議が終わったら、議事録を作成する担当者は出席者や関係者に会議の議事録を展開し、決定事項や宿題事項に認識の齟齬がないかどうかを確認します。 会議の中で発生した宿題事項に関しては、対応期日を決めた上、きちんと対応できているかを把握できるようにしましょう。一般的には、課題管理表やToDoリストというような成果物が挙げられますが、Redmineなどのプロジェクト管理ツールを用いている場合などもあります。

3.生産性の高い会議を実施する2つのメリット

これまで、私たちは日々の業務の中でいかに多くの工数を会議に割いているか、またどうすれば会議を有意義な時間とし、効率的に進められるのかを述べてきました。ここからは、会議の生産性を高めることで、どんなメリットを享受することができるのかを述べていきたいと思います。

1.時間的コストの削減

では、生産性の高い会議をすることにおける一番大きな変化は、無駄な時間を減らすことができる点ではないでしょうか。今まで会議に費やしていた時間を他に使うことができれば、一人ひとりの生産性を上げることができるほか、労働時間の短縮にも繋がります。

2.会社組織全体の生産性向上

会議が変わることによる一番のインパクトは、時間をより有効に使え、より重要な業務に割く時間を増やせるということは先ほど述べました。会議は一人で行うものではないため、会議が変われば、その分多くの人がメリットを享受することができます。自分だけでなく周りの人、ひいては会社全体の会議の時間を今よりも抑え、別のことに時間を割くことができるようになれば、より優れた成果を出すことができるでしょう。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。最後にまとめとして、以下3点を述べしめくくりとさせていただきます。 ・会議をルーチンワーク化せず、明確な目的意識を持とう ・生産的な会議運営は、組織の競争力を向上させる ・生産的な会議を行うため、準備、実施、会議後のタスクに分け、目的を達成できるようそれぞれのプロセスを見直そう

執筆者:石井 裕司

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