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優秀なコンサルタントにかぎって陥る5つのワナ

更新日 2022/05/16
クライアントの現状分析から課題解決策を提案するコンサルタントは、頭脳明晰、スマートな印象を持ちます。クライアントにとっては、外部から依頼したコンサルタントが、しっかりと仕事を仕上げてくれることは、何よりも、ありがたい存在です。鮮やかな仕事ぶりで、成果を残すコンサルタントは、キャリアアップのスピードも速いです。

しかし、ある一定のポジションになると、従来までのスキルだけでは、立ち行かなくなり、いわゆる“Up or Out“の選択をしてしまいます。一生懸命、アウトプットを出し、向上心を持って業務に積極的に取り組んでいるのにもかかわらず、いつの間にか、孤立無援の状態になっている場合があります。

それは、どうしてなのでしょうか?
筆者は、8年間外資系コンサルタント会社とフリーランス契約をして、戦略、IT、プロジェクトマネジメントコンサルタントと共に業務をしてきました。その経験を通して、優秀なコンサルタントにかぎって、陥りがちなワナがあることに気がつきました。それをいくつか挙げてみましょう。

1.優秀なコンサルタントにかぎって陥りがちなワナ

プロジェクトメンバーとして、仕事の出来栄えで勝負しているポジションであれば、ワナに陥る機会も少ないのですが、ポジションアップにともない、新規案件取得などが増え、他者との信頼関係構築力が問われてきます。 あらゆる背景を持ち合わせている人が集まる場所で、より、自分の設定したゴールへ到達させるためには、どのようにすればよいのでしょうか?まずは、優秀なコンサルタントの陥りがちなワナを記載します。

1.ついつい早口になり、聞き手のペースを考慮しない

優秀なコンサルタントほど、頭の回転が速く、他の人よりも、問題点や解決策にいち早く気づきます。それが、存在価値でもあるので、大切な才能です。それと同時に、クライアントやプロジェクト内のパートナー企業さんと協力体制をとって、仕事を進めるうえでは、合意形成をとるプロセスに、苦戦するようになります。 打ち合わせで、ついつい早口で説明して、聞き手が何度も説明を申し出て、時間が過ぎてしまう。そして、結論や合意事項に到達できない事態になります。 「これ、ふつう、気づくよね?」「どうして、わからないの?」 と、ややもすると、理解しない相手に対して、苛立ちを持って接してしまいます。そんな態度を持ったコンサルタントに、クライアントをはじめ、プロジェクトメンバーは、心の距離を置くようになり、最終的には、孤立無援になってしまいます。

2.コンサル用語を頻発している

外資系コンサルティングファームに属しているコンサルタントは、社内用語、いわゆるコンサル用語をクライアント先でも、頻発させています。「外部から来たコンサルタントは、タレントのルー大柴さんのように話す」と、いう笑い話を聞いた事はありませんか? 属しているコンサルティングファームにブランド力があれば、あるほど、クライアントやプロジェクトメンバーにも、自分たちの社内用語を浸透させてしまう傾向が強く見られます。 この姿勢は、クライアントにとっては、脅威に覚えるのではないでしょうか?客先では、「郷に入っては、郷に従え」。プロとしての誇りを持ちながらも、クライアントファーストである姿勢を持ち続ける柔軟さを持つことが、信用を得る近道となります。

3.思考フレームワーク偏重主義になる

5W1Hにはじまりロジカルシンキングやフェルミ推定など、思考フレームワークで物事を整理し、アウトプットをしているため、他者にも、定められた枠組みでの発言を求めてしまいます。「これらのスキルを習得して、コンサルタントとして一人前」と、日々、切磋琢磨した背景がある人ほど、本人が大切にしたい部分でもありますし、他者への要求も強くなります。 少しでも、枠組みから逸脱してしまうと、「プロトコル(コミュニケーション方式)が異なる」と、受け入れない姿勢をついつい、取ってしまいます。自分にとって、受け入れがたい形での発言にも、内容には、珠玉の情報が入っている可能性があります。その機会損失の積み重ねをしていませんか?

4.合理性、生産性のみを注力する

定められた予算と期間で、プロジェクトを推進するうえで、合理性と生産性は、とても重要な要素です。 関係者を巻き込み、がむしゃらに業務を遂行し、ゴールに到達させたときの達成感は何にも代えがたいものでしょう。しかし、これらの要素のみ注力していると、プロジェクトメンバーは、次々と疲弊していきます「決定事項だから、納期を守れ」「一度通達したことだから、知らないとは言わせない」 と、理論上正しいことを言っても、人間であるメンバーたちの心は、離れていきます。「あの人、使えない」のひと言で、リプレース(要員交代)を繰り返していませんか?リプレースのロスによる生産性低下を考えると、理論上の正しさに加えて、何か心がけることがありませんか?

5.洗練されすぎている身だしなみをしている

キャリアアップをすると、年上のクライアントやプロジェクトメンバーよりも、年収が高くなってしまうことがあります。自分へのごほうびにと、憧れのブランドのスーツや時計や靴、鞄を手にしたくなります。一流ブランド品を身にまとうことは、明日への活力となり、素晴らしいことです。 しかし、ちょっと、待って! 初めてクライアント先へ出向くとき、クライアント会社の経営層の月収レベルの時計を身に着けたりしていませんか?自分より年下のコンサルタントが、高級ブランド品を身にまとっていたら、必要以上に警戒心を持ってしまいます。ファーストコンタクトの目的は、相手との距離を縮めることです。誠意ある姿勢で臨むことに加えて、クライアントに、親しみを持ってもらう工夫をした身だしなみをしていますか?

2.長く愛されるコンサルタントになるには ~ワナに陥らない4つの対策~

いかがでしたでしょうか?ご自分にも思い当たることがありませんか?これからワナに陥らない対策を挙げておきます。総じて、人と人との信頼関係を構築する力をつける必要があります。 「また、会いたい」「ずっと一緒に仕事をしたい」 と、関係者から、長く愛され、信頼されるコンサルタントになるために、出来るところから取り入れてみては、いかがでしょうか。

1.感情を受け入れ、論理的に整理する

業務を遂行するうえで感情を持ち込むことは、タブー視されています。「君は感情的だね」と、いう言葉は、ビジネスパーソンとして、決して誉め言葉ではありません。理不尽と感じ、怒りや悲しみが沸き上がるときも、グッと感情を抑えていませんか? そうしていると、いつの間にか、自分の感情に向き合わなくなり、設定した目標を達成する行動にのみ、注力してしまいます。最終的には、他者の感情をも寄り添わなくなり、「冷徹な人」という印象を与えてしまいます。 感情は、そのまま表現することが、タブー視されているのであり、感じることは、自然なことなのです。血の通った生身の人間として、感情を受け入れてみてください。 従来、コンサルタントは、論理的に整理するスキルを持つように訓練されています。それを活用して、感情を冷静に整理するプロセスを持つよう心がけてください。アンガーマネジメントを研究するのもひとつの方法でしょう。それをすることで、他者が感情的になった場合も、受け入れる姿勢を持つことが出来て、いわゆるホンネまで言い合える信頼関係を構築しやすくなります。

2.相手に共感し、ペースを合わせてから、持論を展開する

優秀なコンサルタントは、話題、時間を自分の思い通りにコントロールすることを美徳としています。しかし、相手は、「結局、自分の話を聞いてくれなかった」という失望感を持ってしまいます。相手に共感し、ペースを合わせる工夫をしてみてください。 人間は、受け入れられたと感じると、心が開きやすくなります。そのあと、持論を展開すると、相手の理解度も上がり、効果的です。詳しくは、傾聴、承認というプロセスを研究することをお薦めします。

3.自分と他者との違いを受け入れる

「自分が出来ることは、他人が出来て当たり前」「自分が当然ととらえていることは、他人も同様」と、とらえてしまいますが、物事のとらえ方は、一人ひとり異なります。まず、自分の特徴を知って、他者との違いを観察しましょう。観察する際、体系だって整理されたコミュニケーションタイプを研究するのも良いでしょう。 この研究は、比較して優劣を判定することが目的ではなく、相互に理解して、関係性を構築することを目的としています。

4.自分目線と他人目線を持つ

対面する、会話するなどなんらかのアクションを起こす際には、まず、自分の行動の対象となる相手のことを察してみましょう。他人目線で、シュミレーションするのです。それによって、身だしなみ、言葉づかいなどを考慮してください。 まずは、安心して、前向きな姿勢を持っていただくのが、目的ですから、それを達成するための工夫が必要です。創意工夫を持って、チャレンジしてみてください。

3.長く愛され、つながっていたいコンサルタントになるためのオススメ本3選

長く愛され、つながっていたいと思われるコンサルタントになるために、参考となる本をご紹介します。 ・「図解 コーチング流タイプ分けを知ってアプローチするとうまくいく」(鈴木 義幸 著) コンサルタントは、クライアントやチームメンバーに対してコーチングを行うシーンが多々あるかと思います。この本には、コーチングスキルを磨くためのノウハウが多数あります。図解を多用していますので、短時間でも読みやすいのもオススメする理由の一つです。 ・「聞く力―心をひらく35のヒント」(阿川 佐和子 著) 「面白そうに聞く」「オウム返しで質問」等々「聞く」ための極意が満載な本です。コンサルタントは、クライアント・チームメンバーに対して聞き役となるシーンが多数あります。インタビュアーとして活躍されてきた著者の「聞く極意」は、コンサルタントにとっても非常に役に立つものばかりです。 ・「いつも品がよく見える人の外見術」(神津 佳予子 著) コンサルタントの魅力は、外見からも相手に伝わります。しかし、既に述べた通り「高級ブランド品」を身にまとうのではなく、品のあるコンサルタントを目指すべきです。この本では、ABC=Appearance「外見・見た目」のA、Behavior「行動・振る舞い」のB、Communication「コミュニケーション」のCを磨きあげ、何度でも会いたくなるような品のあるコンサルタントになるヒントがたくさんあります。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。 長く愛されるコンサルタントになるために、ぜひ今回ご紹介した、 ・感情を受け入れ論理的に整理する習慣をつける ・傾聴、共感、承認で、相手の信頼度をアップさせる ・自分目線、他人目線双方を持つ を実践してみてください。
執筆者:年名 佐葉子

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しかし、ある一定のポジションになると、従来までのスキルだけでは、立ち行かなくなり、いわゆる“Up or Out“の選択をしてしまいます。一生懸命、アウトプットを出し、向上心を持って業務に積極的に取り組んでいるのにもかかわらず、いつの間にか、孤立無援の状態になっている場合があります。

それは、どうしてなのでしょうか?
筆者は、8年間外資系コンサルタント会社とフリーランス契約をして、戦略、IT、プロジェクトマネジメントコンサルタントと共に業務をしてきました。その経験を通して、優秀なコンサルタントにかぎって、陥りがちなワナがあることに気がつきました。それをいくつか挙げてみましょう。