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「コンサルタントがフリーランスになること」へのよくある意見~それって本当!?~

更新日 2022/05/16
これからフリーランスになろうとお考えのコンサルタントの方の中には、「フリーランスになってもあまり意味がないのでは」「フリーランスになると損する」などの否定的な意見を耳にし、不安に思っている方もいらっしゃるかと思います。 しかし、それらのネガティブな意見は、一面は正しい部分はあるものの、実態を正しく捉えた上の意見ではありません。今回は、そのような「コンサルタントがフリーランスになることに対するよくある意見」について、数多くのフリーランスのコンサルタントの方々とご一緒に仕事をしてきた当社が、解説いたします。

1.よくある意見① 「フリーランスのコンサルタントは、営業力がないと案件が取れない」

「コンサルタントがフリーランスになること」についてのよくある意見の一つとして、「営業力がないと独立しても案件を取ることができない」というものです。この「意見」は果たして正しいものなのでしょうか。

1.「営業力がないと仕事がない」は本当か

コンサルタントに限らず、フリーランスとして活動する方に共通する課題は、「どのようにして仕事をとってくるか」ということでしょう。独立当初はこれまでのコネクション等で、案件を取れていたとしても、いつまでもコネクションだけで案件を取り続けるのは難しいのは事実です。そのための、「案件を取るためには営業しないといけない」と思うフリーランスの方は多いでしょう。しかしながら、営業活動を一切行わず、高い品質のサービスを提供し続けることでクライアント企業から信頼を得て、その企業からの発注が継続し、また、クライアント企業から新たなクライアント企業を紹介してもらうようなハイパフォーマーなフリーランスの方もかなりの数おられます。

2.フリーランスのコンサルタントは「営業活動」から解放されるべき

また、上記のような「営業力がないと独立しても案件を取ることができない」という意見は、「フリーランスは、自分の営業力で案件をとってくるべきだ」という偏見が影響を与えていると思われます。しかし、フリーランスとして活躍するには、「自ら案件を探してくること」が本当に必要な条件なのでしょうか。 たしかに、自分自身で案件を探して来ることができれば、案件がないという状況に陥ることはありません。しかし、当社はむしろ「フリーランスのコンサルタントは『営業活動」から解放されるべきだ」と考えています。なぜなら、コンサルタントがフリーランスである場合、営業活動自体では報酬を得ることができず、案件・プロジェクトでコンサルティングサービスなどのデリバリーによって報酬が得られるため、営業活動の時間を極力減らして継続的に案件・プロジェクトに参画し続ける方が報酬面でも、スキル・キャリアを積む面からもよいからです。

3.案件紹介会社(SES事業者)を活用する「合理的な理由」

そして、フリーランスのコンサルタントが「営業活動」から解放されるには、コネクションから案件を探すだけではなく、当社のような案件紹介会社(SES事業者)をうまく活用することをおススメします。案件紹介会社を使うようなコンサルタントは、自分で案件をつくることができないコンサルタントだ、と思われている方もいらっしゃるかと思いますが、実際は異なり、もっと合理的に考えている方の方が多いです。 例えば、フリーランスの個人事業主の税金について、がんばって経理を勉強して帳簿をつける、これも悪いことではありませんが、税理士などに依頼して記帳代行をしてもらうこと、これも合理的な選択です。アウトソースの一角を担う存在のフリーランスのエンジニアも、アウトソースサービスを活用することは、ご自身の報酬を高め、キャリアを積んでいくことができる合理的な選択でしょう。 当社の案件紹介サービス「ハイパフォコンサル」に登録してくるフリーランスのコンサルタントの方々も、「営業活動」をして案件を取ることができないのではなく、紹介会社を活用することで「営業活動」から解放され、案件に集中する時間をより長くしたいと考えていらっしゃる方が多いです。

2.よくある意見② 「案件紹介会社を活用しても「中抜き」されるだけ」

上記のように、フリーランスのコンサルタントは案件紹介会社などを活用し、「営業活動」から解放されるように行動すべきだと考えます。しかし、コンサルタントの方々の中には「案件紹介会社を活用しても「中抜き」されるだけ」という意見を耳にされることも多いかと思います。果たしてその意見は正しいのでしょうか。

1.大手コンサルファームでの報酬について

「案件紹介会社を活用しても『中抜き』されるだけ」という意見について考える前に、まずは大手コンサルティングファームに所属している場合のコンサルタントの給与(報酬)について考えてみましょう。大手ファームに属しているコンサルタントの場合は、クライアント企業に提示されている請求金額と、コンサルタントがもらう報酬金額のギャップが5倍以上くらいあります。大手ファームでは、客先に月300万円/人で提案している、一方、本人の給与は月額50万円というのも決して珍しいことではありません。

2.案件紹介会社を活用した場合の報酬について

では、フリーランスのコンサルタントが案件紹介会社を活用した場合の報酬はどうなるでしょうか。案件紹介会社を活用した場合は、案件紹介会社の各種必要経費が差し引かれた後の報酬が、フリーランスの方に支払われます。しかし、紹介会社の「紹介料」(そのように明確に定義されるわけではありませんが、実質的な意味でそう記載します)は、実はそこまで高くはありません。なぜなら、クライアント企業が認識している支払額=期待値と、本人に支払われる報酬のギャップが大きいとデリバリーの品質に問題が生じる場合があり、クレームとなる可能性があるからです。そのため案件紹介企業は「紹介料」を適切と思われる金額で設定するのが通常です。

3.案件紹介会社は、フリーランスコンサルタントのための営業部隊

上記のように「紹介料」の仕組みを説明すると、「案件紹介会社を活用しても『中抜き』されるだけ」という意見は正しいと思われる方もいらっしゃるかと思います。しかし「紹介料」を「中抜き」と表現することは誤りです。 「中抜き」は、何もしないで、右から左に流す際に上乗せして請求する、という意味です。しかしながら、案件紹介会社は、コンサルティング会社と同じく、相当な人間が体制を組んで継続的に営業活動を続けることで、はじめて案件を取れることができます。つまり「紹介料」とは「営業代行費」「経理処理費」などであり、多くのフリーランスのコンサルタントの方は、案件紹介会社は「フリーランスのための営業部隊」と合理的に考えております。 さらに案件紹介会社の案件でフリーランスに提示される報酬額は、既に「紹介料」や各種経費が差し引かれた金額です。したがってフリーランスは自身が満足できる報酬額の案件を紹介してもらえれば、その間で「紹介料」が発生していたとしても何も問題ないと考えている方が多いのです。

3.よくある意見③ 「フリーランスになると案件に対しての責任が重くなる」

さらに、「コンサルタントがフリーランスになることについてのよくある意見」の一つに、「フリーランスになると案件に対しての責任が重くなる」という意見があります。果たしてこれは本当なのでしょうか。

1.成果が求められる事は会社員だろうとフリーランスだろうと変わりない

クライアント企業にとって、外部のコンサルタントは、高い報酬の代わりに自社の課題を解決してくれる存在です。そのため、コンサルタントがフリーランスであろうと会社員コンサルタントであろうと、コンサルティングサービスに成果を求めるのは変わりません。

2.紹介会社とうまく付き合っていけば、強い味方になる

しかし、プロジェクト上問題が発生した場合は、直接契約したフリーランスのコンサルタントと会社員コンサルタントでは求められる責任に差がある可能性があります。会社員コンサルタントの場合は、所属するコンサルティング会社が責任を負いますが、フリーランスが自分で案件を取ってきて直接契約している場合、責任は当然その方に直接求められます。したがって、「フリーランスになると案件に対しての責任が重くなる」というのは、ある意味正しいと言えます。 しかしながら、案件紹介会社を活用した場合は、異なります。案件紹介会社を通して案件にアサインされた場合に、フリーランスコンサルをアサインしているからと言っても、企業側が責任を取ることを求めるのはフリーランスではなく、案件紹介会社になります。そのため、万が一のご自信リスクヘッジをするために、案件紹介会社を活用するフリーランスのコンサルタントも多いのです。

4.まとめ

フリーランスになることには、賛否があります。自由度が高い働き方ができたり、報酬が高くなるメリットがある半面、もちろんデメリットと言われることもあります。例えば、フリーランスのコンサルルタントになると、ローンが組みにくくなるという事実もあるでしょう。 結局、「フリーランスのコンサルタントになること」がコンサルタントのキャリア・人生にとっていい結果を生むかどうかは、コンサルタント次第です。 今回は、「フリーランスのコンサルタントになること」へのよくある意見を解説しましたが、いかがでしたでしょうか。これからフリーランスになろうとしているコンサルタントの方にとって参考となれば幸いです。

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