SAPコラム

SAPモジュールを解説!~FI・CO・SD・MM・LE・PP・QMの機能解説と初心者におすすめなモジュールとは~

        
            

SAPモジュールとは、企業の基幹システムを業務領域ごとに分けたシステムの機能群を指します。 SAPコンサルタントになるためには、SAPモジュールの知識習得は必須であり、機能や役割を正しく理解する必要があります。 そこでこの記事では、SAPコンサルタントやSAPフリーランスを目指す方向けにSAPモジュールの種類、特徴などを分かりやすく解説いたします。SAPコンサルタントを目指している方は是非参考にしてみてください。

  • 1SAPモジュールについて
  • -そもそもSAPとは?
  • -SAPモジュール一覧
  • 2各モジュールの説明
  • -FIモジュール(財務会計)
  • -COモジュール(管理会計)
  • -SDモジュール(販売管理)
  • -MMモジュール(購買管理/在庫管理)
  • -PPモジュール(生産計画/管理)
  • -PSモジュール(プロジェクト管理)
  • -PMモジュール(プラント保全)
  • -QMモジュール(品質管理)
  • 3【初心者向け】習得におすすめのモジュール
  • 4まとめ
        

1. SAPモジュールについて

            

・そもそもSAPとは?
SAPモジュールとは、企業の基幹システムを業務領域ごとに分けたシステムの機能群を指します。
SAPモジュールを理解するためには、各モジュールの全体構造やそれぞれの機能の繋がり・役割を把握する必要があります。
企業に応じた各モジュールをカスタマイズし、連携することでSAP ERP製品の目的である「情報(データ)を一括管理した業務プロセスの効率化」を実現することができます。

            
・SAPモジュール一覧
SAP ERPは以下のモジュールに分かれており、代表的なモジュール一覧となります。
SAPモジュールは、特定の業務領域ごとにいくつかの単位で分けて管理をしています。また、各モジュールは英語名での頭文字を取った略称で呼ぶことが多くあります。

            
モジュール名 英語名 略称
財務会計 Financial Accounting FI
管理会計 Controlling CO
販売管理 Sales and Distribution SD
購買管理/在庫管理 Material Management MM
生産計画/管理 Production Planning and Control PP
プロジェクト管理 Project System PS
プラント保全 Plant Maintenance PM
品質管理 Quality Management QM
            

また、SAPモジュールでは、主に会計系(FI,SD,PS)とロジ系(SD,MM,PP,PM,QM,LE)で区別されます。

            
            

次に、各SAPモジュールのつながりについては以下となります。

            
            

これより上記で説明したそれぞれのモジュールが、どのような機能群を持っているのかを解説していきます。

        

2. 各モジュールの説明

            

・FIモジュール(財務会計)
FI(Financial Accounting)とは、財務会計領域のモジュールのことを指します。
FIモジュールでは、 PL(損益計算書)、BS(貸借対照表)、CS(キャッシュフロー計算書)のような、財務諸表など社外向けレポート作成のための機能が備わっています。また、作成に必要な情報の登録、処理などを扱います。

            

FIサブモジュールは、主に以下5つに分かれています。

            
サブモジュール名 略称 機能説明
総勘定元帳 FI-GL あらゆる取引を仕訳として登録し、勘定ベースで管理します。他のモジュールから自動的に転記された実績を連携して、会計仕訳に登録ができます。
債務管理 FI-AP 仕入れ先別に買掛金、未払金、預り金の債務残高と明細を管理します。購買を行う取引に対して、債務計上、支払いに対する承認・手続きができます。
債権管理 FI-AR 得意先別に売掛金、未収入金、立替金の債権残高と明細を管理します。販売を行う取引に対して、債権計上、請求書発行、入金と債権の消込ができます。
固定資産会計 FI-AA 有形固定資産(不動産や設備)や無形固定資産(ソフトウェアなど)の様々な固定資産を管理ができます。
特別目的元帳 FI-SL メインとなる総勘定元帳のほかに、様々な目的に応じて複数の元帳を必要とする際に、元帳の保持ができます。
            

FIモジュールは、販売や他のモジュールとの連携機能が可能であり、SAPの中でも重要度の高いモジュールです。

            

・COモジュール(管理会計)
CO( Controlling )とは、管理会計領域の原価を管理するモジュールを指します。
COモジュールでは、購買・生産・販売のマスタデータを元にして、標準原価計算をすることができるため、原価や費用・収益を分析して社内向けの財務レポートを作成するための機能が備わっています。また、予算に対して、実績が発生しているのか把握することが出来ます。

            

COサブモジュールは、主に以下3つに分かれています。

            
サブモジュール名 略称 機能説明
間接費管理 CO-OM 間接費を集計し、各部門へ予算として再配賦するための管理ができます。
製品原価管理 CO-PC 直接費を集計し、製造原価を計算するための管理ができます。
収益性分析 CO-PA 収益および利益に関して、得意先・品目・販売地域など多様な切り口で収益性分析ができます。
            

これらのモジュールを活用することで、組織の経営状況をグラフ化・レポート化して手間を削減することで、スピーディーな意思決定に繋げられます。

            

・SDモジュール(販売管理)
SD(Sales and Distribution)とは、販売管理領域のモジュールことを指します。SDモジュールでは、製品の販売から出荷、請求、顧客サービスまでを網羅しており、顧客からのリクエスト、見積もりの作成、注文処理、出荷指示、商品出荷、そして顧客への請求処理など、一連の業務を効率的に管理する機能が備わっています。

            

SDモジュールは、主に以下3つのプロセスに分かれています。

            
プロセス 機能説明
受注管理 注文処理を円滑に行うため、引き合い伝票、見積伝票、受注伝票などをシステムに記録ができます。
出荷管理 顧客の在庫品、完成品を出荷する際に発行される出荷伝票を記録ができます。
請求管理 製品や商品が顧客に出荷された後、発行される請求伝票を記録ができます。
            

これらのプロセスはSDモジュール内でビジネスプロセスを効率化し、正確な取引情報を提供する重要な要素です。

            

・MMモジュール(購買管理/在庫管理)
MM(Material Management)とは、調達、在庫管理領域のモジュールのことを指します。MMモジュールは在庫管理と調達管理の2つの主要な機能から成り立っています。

            

在庫管理機能は、主に以下3つのプロセスに分かれています。

            
プロセス 機能説明
入出庫 商品の入庫や出庫の実績に基づき、在庫移動を管理ができます。
棚卸 システム上の在庫と実数の差分が発生した際、在庫数量のデータを調整ができます。
在庫評価 期中の在庫金額、移動平均原価に加え、期末に税法上の評価を実施ができます。
            

次に調達管理は主に以下5つのプロセスに分かれています。

            
プロセス 機能説明
購買依頼 購買部門担当者が依頼担当からいただいた購入希望商品の登録ができます。
見積 作成された購買依頼を基に仕入先に対して価格と納期の見積依頼ができます。
購買発注 特定の仕入れ先に対して商品やサービスに対して正式に注文登録ができます。
入庫 入庫担当者が届いた納入品を倉庫、保管場所に入庫ができます。
請求書照合 購買探勝が仕入先からの請求書に記載した数量、価格を確認し誤りがないか照合ができます。
            

MMモジュールは資材管理と調達プロセスの円滑な運用を可能にし、企業の資源を最適化するために重要なツールです。

            

・PPモジュール(生産計画/管理)
PP(Production Planning and Control)とは、生産管理領域のモジュールを指します。PPモジュールは、製品の生産計画や製造活動に対応することで、生産プロセスの持続的な改善の手助けをし、生産活動をより効率的に推進するためのサポートを備えています。

            

生産には、見込み生産と受注生産の2つの形態があり、PPモジュールはこれらの形態に対応する役割を果たします。

            
プロセス 概要説明
見込生産 欠品防止のため需要予測や販売予測、実績などを基に、品目、数量、構成品目、作業場所など生産に必要な情報を登録ができます。
受注生産 見込み生産と違い、注文後に製造を行うため、生産された商品、数量、作業時間を対応後に実績として計上ができます。
            

また、受注生産は主に以下3つの方式が用いられております。

            
プロセス 機能説明
受注生産方式 あらかじめ製品の型を作成し、受注の度に繰り返し生産を行います。
受注組立生産方式 中間品までを見込生産し、受注があると組立生産を行います。
個別受注生産方式 得意先からビルや橋、道路などの受注の度に設計を行います。
            

PPモジュールは製造業において効率的な生産プロセスの確立や需要に適切に対応するための戦略的な計画を実現するための重要なツールです。

            

・PSモジュール(プロジェクト管理)
PS(Project System)とは、プロジェクト管理領域におけるモジュールを指します。PSモジュールはPP(生産管理)を導入する代わりに、スケジュール管理、各フェーズでの請求処理、工事の進捗に合わせた売上の経常処理、未成工事支出金(仕掛品)と売上原価の管理機能を備えています。

            

PSモジュールは、WBS要素とネットワーク活動に対して、以下2つの管理機能が提供されます。

            
管理機能名 概要説明
日程予実管理 フェーズごと工程ごとの日程計画、実際の進捗を管理ができます。
収支予実管理 プロジェクト全体の収支管理、工程ごとの直接材料費、加工費などの原価管理、予実管理ができます。
            

また、PSモジュールは、主に以下6つのプロセスに分かれています。

            
プロセス 機能説明
プロジェクトマスター登録・変更 プロジェクト作成の基本情報である、プロジェクト、WBS、ネットワークヘッダ、ネットワーク活動で構成されるプロジェクトマスターの登録を行い、必要に応じて変更の実施ができます。
計画原価登録 プロジェクト活動に必要な原価の見積額の登録と積上げ計算の実施ができます。
見積登録 得意先に提示する見積もり伝票の作成ができます。
受注登録 見積利に合意を得、受注契約が完了し次第作成ができます。
原価計上・経常処理 プロジェクトにおける実際の原価活動を記録。プロヘクトの実質的なコストの計算を実施。またプロジェクト全体の経常状況も並行して確認ができます。
請求処理 プロジェクトに関連する収益と費用の記録および、請求処理を行い、プロジェクトの収益性とコスト管理を追跡し、請求証を発行ができます。
            

これらのプロセスは、プロジェクトの効果的な管理とコントロールを実珸し、プロジェクトの成功と収益性を確保するために欠かせない重要なツールです。

            

・PMモジュール(プラント保全)
PM( Plant Maintenance )とは、プラント(設備)メンテナンス領域のモジュールのことを指します。 PMモジュールでは、保全作業の特定、計画、実行、完了、実績管理などの保守全般について管理します。 また、各フェーズの指図内容や全体の進捗状況を一元管理化することを実現します。

            

PMモジュールは、主に以下3つのプロセスに分かれています。

            
プロセス 機能説明
設備検査 設備の状態をチェックするために検査を実施し、記録ができます。
定期保全 設備の高可用性を維持するために定期的なチェックを実施し記録ができます。
修理 故障が発生した箇所に対して、元に戻すための作業を実施します。また、原価、作業、リソースなどの計画の策定ができます。
            

PMモジュールのプロセスを用いることで、設備の適切な管理と保守作業の最適化が可能となり、施設の効率的な運営と安定的な稼働が実現される重要なツールです。

            

・QMモジュール(品質管理)
QM( Quality Management )とは、品質管理領域のモジュールのことを指します。
QMモジュールでは、購買入庫や生産入庫した在庫に対し、品質検査を行います。QMモジュール単体で使わずMMモジュールと連携されることで、品質検査プロセスと在庫ステータスを自動連携されます。品質検査が完了していない在庫では、ブロック状態にすることができるため、精度の高い在庫管理を実現します。

            

QMモジュールは、主に以下5つのプロセスに分かれています。

            
プロセス 機能説明
品質検査計画 品質検査規格、検査工程、検査項目を計画ができます。
品質検査ロット登録 検査対象となる数量、ロット、検査開始日・終了日を登録ができます。
検査結果記録 検査終了後、品質ロットに対して検査結果記録情報を入力ができます。
使用決定 検査記録に対して、合否判定によって使用決定コードを設定ができます。
品質証明書出力 得意先へ出荷処理と連動して、製品の品質証明書を出力ができます。
            

品質管理モジュールは、製品の品質を確保し、高精度な在庫管理を支援するうえで重要なツールです。

        

3. 【初心者向け】習得におすすめのモジュール

            

・おすすめのモジュール

結論として、SAPモジュールの勉強を初めて行う方におすすめなのがFI(Financial Accounting)モジュールです。
FIモジュールは、企業全体の統合と財務管理において中心的な役割を果たすため、どの業界業種においても必要不可欠だからです。それに伴い、各モジュールと密接な関係を以下のように持っています。
COモジュール:財務情報とコスト情報を統合し、コスト管理と意思決定を行う上で必要なデータを提供します。
SDモジュール:売上収益取引や売掛金の処理を記録し、財務情報を反映します。
MMモジュール:購買取引や在庫の評価、支払処理などをデータ処理することで、資金の流れと在庫評価を追跡します。
PPモジュール:生産に関連する財務情報を処理し、生産コストの追跡と効率性の向上をサポートします。また、生産にかかる費用と売り上げとの調整を行い、収益性を確認します。

            
            

上記の通り、FIモジュールは各モジュールと統合することで、企業全体の財務データを一元管理し、経営者と意思決定者に正確な情報を提供することができます。このようにFIモジュールは、SAPの中心的なモジュールであり、重要な役割を持ちます。またSAPの基本プロセスとなっているため、SAPコンサルタントを目指す方にとって、おすすめのモジュールとなっております。

        

4.まとめ

            

このページでは、SAPの各モジュールについて詳しく説明しました。各モジュールを学ぶことによって、将来のSAPコンサルタントとしてのキャリアにどの方向性を選択するかを検討できるようになります。また幅広いモジュールの知識を持つことで、自分の市場価値を高めるのに役立つでしょう。そのためにも、この記事が資格を取得し、SAPコンサルタントになりたい方々にとって、将来のキャリアを考えるきっかけになれば幸いです。

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