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ネットワークエンジニアの将来性の実情は~クラウドの普及との関係性について解説!~

更新日 2023/10/24

本記事では、ネットワークエンジニアの仕事内容や待遇、需要や将来性について説明します。もちろん、ネットワークエンジニアの需要が高まることが予想できても安心してはいけません。技術に栄枯盛衰があるように、それを使いこなすエンジニアのスキルセットにも流行り廃りがあります。

よって、同じネットワークエンジニアでも現在と未来では求められるスキルセットに大きな違いがあることも考えられます。このことを踏まえた上で、ネットワークエンジニアの仕事について将来求められるだろうスキルも含めて説明します。

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ネットワークエンジニアの仕事内容

まずはネットワークエンジニアの仕事内容について説明します。ネットワークエンジニアとは読んで字の如く、ネットワークにまつわるエンジニアリングをする職種です。もう少し詳しく説明すると、ネットワークとは、複数のパソコン同士を接続して、相互通信ができる状態にすることを指します。

エンジニアリングは設計、構築、運用・監視の3つに分類することができます。それぞれの「エンジニアリング」について詳しく説明します。

ネットワークの設計

ネットワークの設計とは営業が受注した際の提案依頼書の要件を満たすようにネットワークシステムの基本・詳細設計を行う仕事を指します。設計をするためには、詳細な要件定義や、各種資料作成が必要なので、ネットワークエンジニアリングに関わる広範な知識が求められます。

よって、プロジェクトの中でも責任者的な立場の仕事をすることが多いです。 また、設計の前段階として、クライアントへの提案活動がありますが、ネットワークの設計ができるエンジニアは提案活動も兼務していることが多いです。

ネットワークの構築

ネットワークの構築とは、上記の設計段階で作成した設計資料などをもとに、実際にネットワークの構築や検証作業などを行うことを指します。IT系のエンジニアの場合、デスクワーク中心で働くイメージを持っている方も多いと考えられますが、構築を担当する場合、機器を配置してケーブルを繋げたり、床下にケーブルを敷設したりと、物理的な作業もたくさん発生します。

設計通りにネットワークを構築できた後は、設計通りにネットワークが稼働しているかのチェックまで行います。 ネットワークを自らの手で作っているというやりがいは一番感じることができるでしょう。

ネットワークの運用・監視

最後に紹介するのが、ネットワークの運用・監視をするエンジニアです。ネットワークは一度構築して正常に通信できれば、それで終わりではなく正常な通信が継続されるように運用もしなければなりません。

クライアントの要望や仕様(アカウントを増やしたい、新しい機器を繋げたい、定期的にメンテナンスしなければならない、など…)に合わせて、ネットワークを運用・監視するエンジニアが必要になります。

また、もちろんネットワークに障害が発生した場合も、エンジニアが復旧対応をしなければなりません。 設計や構築と比べると、必要な知識は少なく、マニュアルなどが整備されていることも多いので、比較的経験の少ないエンジニアが担当することが多い業務領域です。

ネットワークエンジニアの需要と年収

ネットワークエンジニアの現在の需要と年収について説明します。

他職種と比較したネットワークエンジニアの求人数

まずは、Indeedよりネットワークエンジニアと他のインフラ領域のインフラエンジニア(サーバー、セキュリティ、クラウド)の求人数を比較します。それが以下の表となります。

ネットワークエンジニアの求人は4職種の中でも最も求人数が多く、一番少ないセキュリティエンジニアの約2.5倍の求人数が存在します。現在の所ネットワークエンジニアの需要は非常に高いと言えます。

ただし、未来もこのようなバランスであるとは限りません。Googleトレンドを使って、「ネットワークエンジニア」というキーワードがどのように推移しているのかを2004年から並べて見ましょう。

「ネットワークエンジニア」の人気度の動向 
表から分かる通り、「ネットワークエンジニア」というキーワードは2008年以降下降して現在は一定のラインを保って推移しています。ここから分かることが、ネットワークエンジニアという職種がある程度社会に普及しているということです。

よって、ただネットワークエンジニアであるというだけでは価格競争に巻き込まれて給料が下がっていくことが予想されます。一方で「クラウドエンジニア」というキーワードについても見て見ましょう。

「クラウドエンジニア」の人気度の動向 
ネットワークエンジニアと対象的に2008年頃までほとんど人気が無かったのにここ数年で右肩上がりに人気度が高まっています。これは需要に対して供給が足りていない人気のある職種であるということを指しています。 なぜこのような傾向が発生するのかについては3章でまた改めて考察したいと思います。

ネットワークエンジニアの最新の年収

続いて、ネットワークエンジニアの最新の年収動向について説明します。 DODA職種図鑑によればネットワークエンジニアの年収分布は以下のようになっています。 平均年収は458.6万円で300万円から500万円が全体の約50%、300万円から600万円で約70%となっています。

ただし、わずかながら年収1,000万円以上の求人も存在します。ちなみに、日本の平均年収は約440万円なので、平均年収かそれよりもちょっと良い待遇だと考えれば良いでしょう。

※手取りではない支給額

ちなみに、同調査によると年間休日は122.1日、1か月あたりの残業時間は22.8時間となっています。転職した年齢を見ると20代で約65%、34歳までで転職した人が80%以上になっており、35歳以降で転職した人は2割以下です。転職するのならば早めの方が良いかもしれません。

クラウドの普及とネットワークエンジニアの需要の関係性

先ほど、ネットワークエンジニアのキーワードとしての人気が減少しているのに対して、クラウドエンジニアの人気は高まっていることを説明しました。なぜ、このような需要の関係になっているのか、クラウドの普及とネットワークエンジニアの需要の関係性について説明します。

ネットワークエンジニアの仕事の今後

一昔前であれば、一定以上の大企業ならどこもかしこも自前のサーバーを保有していました。すなわち、社内に自前のネットワークがあって、自前のサーバーを使って社内のITインフラを運用、監視していたのです。

しかし、今ではこのような徐々に減ってきました。 なぜなら、クラウド型サーバーが普及したからです。クラウド型サーバーとはネットワーク上にある第三者のサーバーを利用者の端末から利用できるサービスのことを指します。つまり、自前でサーバーを用意する必要はなく必要なリソースの分だけサーバーを運用・監視しているサービス会社からレンタルできるようになったのです。

現在ではAmazonが提供しているAWSを代表に、Azure、Google Compute Engineなど様々なクラウド型サーバーサービスが存在します。 このようなクラウドサーバーが普及すると、企業は必ずしも自前でサーバーやネットワークを用意する必要はありません。ネットワーク環境の構築、その後の保守監視にも大きなコストが発生する従来の方法に対して、クラウド型の方がコストは少ないですし、使用量に応じて料金が最適化されるのからです。

よって、今後も徐々に自前のサーバーからクラウド型サーバーへ移行する企業が増加すると考えられます。もちろん、今すぐにネットワークエンジニアの仕事がなくなるというわけではありませんが、時代の流れを考えればネットワークエンジニアも時代に合わせた何らかの付加価値を身に付けなければならないでしょう。

ネットワークエンジニアのクラウドとの付き合い方

以上のような理由から今後従来のネットワークエンジニアリングの仕事は減少して、クラウドが絡む仕事が増加すると考えられます。では、ネットワークエンジニアは従来のエンジニアリングに留まらず、どのようなスキルを身に着けるべきなのでしょうか。

端的に考えればクラウド時代にうまくマッチする技術を身につけて、クラウドとの上手な付き合い方を考えるべきです。 例えば、クラウドが普及することによって、クラウド型サービスの中から最適なサービスを選択でき、仮想サーバーや仮想ネットワークを構築するスキルは需要が高まるでしょう。

そして、このような仕事はサーバーエンジニア、ネットワークエンジニアとしての知識やスキルを活かしやすい領域でもあります。 ネットワークだけではなく、他のインフラ系のエンジニアの技術も習得して、上手くクラウドの適用できるエンジニアにならなければなりません。

ネットワークエンジニアが今後身に付けるべきスキル

以上のことを踏まえて、ネットワークエンジニアは今後どのようなスキルを身に付けなければならないのかについて説明します。

クラウド

先ほども説明した通り、まず必要になるのはクラウドに関するスキルです。従来のネットワークエンジニアリングの案件は減少してクラウドエンジニアリングに関する案件が増加するはずなので、仮想サーバーや仮想ネットワークの構築に関する知識やスキルは身に着けておいた方が良いでしょう。

セキュリティ

セキュリティに関するスキルも身に着けておいた方が良いでしょう。IT技術が高まるほど、サイバー攻撃などの手法も複雑化しており、このような攻撃からサーバーやその中の情報を保護するためには、高レベルのセキュリティに関する知識が今後ますます求められることになると考えられます。

セキュリティに配慮した、システムの設計や構築、ネットワークに関する検査スキル、保守、監視能力を身に着けるべきです。

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まとめ

以上のようにネットワークエンジニアの仕事内容や将来性について考察してきました。インフラ領域のエンジニアリングの中でも最も求人数が多い職種で、日本の職業全体の平均年収程度は十分に狙うことができます。 短期・中期的には安定して需要が見込める仕事だと言えます。

ただし、長期的には既存ネットワークのクラウドへの置き換えが進行すると考えられるので、ネットワークエンジニアリングのスキルだけでは少し不安が残るかもしれません。必要と興味に応じてクラウドやセキュリティに関するスキルを習得して、インフラ回りのエンジニアリングに総合的に対応できるエンジニアを目指すことが望ましいでしょう。

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